ChatGPTに指示しても期待した回答が返らない、毎回同じ説明を入力しているという人は、質問文だけでなく目的・前提・入力・手順・出力形式・判断基準を分けて書いてみましょう。
さらに、定例会議やブログ運用のような継続業務では、固定ルールと毎回変わる情報を分離し、前回の確定内容を次回の入力へ戻す仕組みを作ります。これが、単発の質問を繰り返し使える運用テンプレートへ変える基本です。
この記事では、ChatGPTプロンプトの作り方を初心者向けに整理し、単発の質問、定例会議、ToDo管理、ブログ・SNS運用へ応用する方法を紹介します。ChatGPTに任せる作業と、人が確認する作業も分けて解説します。
ChatGPTプロンプトの作り方は8項目で考える

プロンプトは、ChatGPTに実行してほしい内容を伝える指示文です。OpenAIは、プロンプトエンジニアリングを、要件を満たす出力を一貫して生成できるよう効果的な指示を書くことと説明しています。
実務では、次の8項目を組み合わせると、指示の抜けや推測を減らしやすくなります。
- 目的:何を整理・作成・確認するのか
- 完成させたい状態:出力を使って何が分かればよいのか
- 役割:どの視点で処理するのか
- 前提:対象者、方針、既に決まっていること
- 入力:今回渡す資料やメモ
- 手順:どの順番で処理するのか
- 出力形式:見出し、箇条書き、項目など
- 判断基準・禁止事項:推測や確定をどこまで許すのか
目的と完成させたい状態を先に書く
「何を知りたいか」だけでなく、「回答を使って何を完成させたいか」を指定します。
- 目的:会議前の確認事項を整理する
- 完成させたい状態:未完了のToDoと今回確認する議題が分かる
- 利用者:会議の参加者
「会議についてまとめて」よりも、「前回から更新された事項を確認し、今回確認すべき議題を整理して」と書く方が処理範囲を伝えやすくなります。
前提と入力情報を分ける
ChatGPTが参照できる情報を、入力欄として明示します。重要なToDoや決定事項をMemoryだけに任せず、毎回貼り付ける表やファイルとして管理すると、何を根拠に整理したのか確認できます。
Memoryは関連情報を参照して応答を個人化する機能ですが、過去のすべての会話を毎回参照するとは限りません。継続業務では、次のような情報を明示的に渡します。
- 業務の目的
- 対象者や読者
- 既に決まっていること
- 前回からの変更点
- 今回の資料やメモ
役割と手順を指定する
役割は回答の視点をそろえるために使います。ただし、役割を指定しただけで専門家としての正確性が保証されるわけではありません。
手順は、ChatGPTに行ってほしい処理を順番に書きます。
- 入力情報から事実を抽出する
- 完了・未完了・保留に分類する
- 不足情報を確認事項に分ける
- 指定した形式で出力する
「適切に整理して」ではなく、抽出、分類、比較、確認の順番を具体化しましょう。
出力形式と判断基準を固定する
出力形式を指定しないと、文章や箇条書きなどが毎回変わることがあります。たとえば、次のように指定します。
- 出力形式:項目、内容、担当者、期限、状態
- 判断基準:入力文に明記された内容だけを決定事項とする
- 不足情報:空欄または「確認事項」と表示する
- 禁止事項:担当者、期限、決定内容を推測しない
そのまま使える基本テンプレート
あなたは[業務や役割]を支援するアシスタントです。 目的:[何を整理・作成・確認するか] 完成させたい状態:[出力を使って何が分かればよいか] 前提:[対象者、方針、既に決まっていること] 入力:[今回渡す情報] 手順: 1. [最初に行う処理] 2. [分類・比較・要約などの処理] 3. [不足情報の確認] 4. [出力形式への整理] 出力形式:[見出し、箇条書きなど] 判断基準:[分類や採用の条件] 禁止事項:不明な情報を推測しない。根拠がない内容は「確認事項」とする。 最後に、情報不足の項目を列挙してください。
まずは角括弧の部分だけを業務に合わせて置き換えます。長くすることより、毎回変わる入力欄と、固定するルールを分けることが重要です。
単発プロンプトと継続業務用プロンプトを使い分ける
単発型は、その場の回答を得るための指示です。継続型は、固定ルールに前回の状態や今回の変更を加え、同じ業務を繰り返し処理します。
単発の回答を得る場合
次の文章を要約してください。 対象読者:社内メンバー 文字量:要点を箇条書き 条件:本文にない情報は追加しない 文章:[ここに文章を入力]
単発型では、目的や対象、条件を使うたびに入力します。調査結果の要約や一度きりの文章整理に向いています。
継続業務で引き継ぐ情報
継続型では、固定ルールに加えて前回の状態を渡します。定例会議なら、次の情報が基本です。
- 前回のToDo
- 前回の決定事項
- 今回のアジェンダ
- 今回までの変更
- 会議中に記録したメモ
「前回の内容を覚えておいて」とだけ指示せず、引き継ぐ項目を明示してください。
前回の確定版を次回の入力へ戻す

- 固定部分のプロンプトを保存する
- 前回の確定版を入力欄へ貼り付ける
- 今回の変更や新しいメモを追加する
- 差分と未確認事項を整理させる
- 人が確認して確定する
- 確定版を次回の入力として保存する
ChatGPTのProjectsは、関連するチャット、ファイル、指示を同じ場所にまとめる機能です。継続業務の情報をまとめる選択肢になりますが、利用できる機能やMemoryの挙動はプランや設定によって異なる場合があります。詳しくはOpenAIのProjects公式案内を確認してください。
定例会議を開始前・実行中・終了後に分けて運用する
会議のすべてを一つの長いプロンプトで処理するより、段階ごとに分けた方が入力不足や責任範囲を確認しやすくなります。
開始前に前回の状況とアジェンダを確認する
目的:今回の会議で確認すべき事項を整理する 入力: 前回ToDo:[入力] 前回の決定事項:[入力] 今回のアジェンダ:[入力] 今回までの変更:[入力] 手順: 1. 前回ToDoを完了・未完了・保留に分類する 2. アジェンダと関係する未完了事項を抽出する 3. 準備不足の項目を確認事項にする 4. 優先議題の候補を整理する 出力:状態/項目/根拠/確認事項 不明な情報は推測しない。
実行中に論点と未決事項を整理する
会議中に人が入力したメモを渡し、論点を分類します。文字起こしや音声データがなくても、入力できるメモをもとに運用できます。
次の会議メモを、論点、決定事項、保留、確認事項に分類してください。 ルール: ・明示された内容だけを分類する ・担当者や期限がない場合は空欄にする ・決定と書かれていない内容を決定事項にしない ・不足する情報は確認事項にする 出力形式:分類/内容/担当者/期限/確認事項 会議メモ:[入力]
終了後に決定事項と次の行動を整理する
会議メモを次の項目に整理してください。 1. 明示された決定事項 2. 担当者と期限が明記されたToDo 3. 保留事項 4. 次回アジェンダ候補 5. 確認事項 条件: ・入力文に根拠がある内容だけを出力する ・担当者や期限がない場合は空欄にする ・不明な情報を補完しない ・正式な決定や優先順位は判断しない 会議メモ:[入力]
出力を正式記録にする前に、会議参加者が決定事項、担当者、期限を確認して確定します。
前回ToDoと決定事項を更新する
ToDoを状態別に分類する
分類条件を先に指定すると、状態の過剰な補完を抑えられます。
前回ToDoを、完了・未完了・保留・確認事項に分類してください。 完了:完了したと明記されているもの 未完了:未実施または対応中と明記されているもの 保留:判断や対応が保留と明記されているもの 確認事項:状態を判断できる情報がないもの 根拠がない状態を推測しないでください。 前回ToDo:[入力] 今回の更新:[入力]
未完了タスクの確認事項を残す
担当者や期限が空欄でも、ChatGPTに候補を推測させてはいけません。次のように、未確認の項目として出力させます。
未完了または保留の項目を、次の形式で整理してください。 項目/現在の状態/担当者/期限/次の対応/確認事項 ルール: ・入力文に明記された情報だけを転記する ・担当者、期限、次の対応がない場合は「未確認」とする ・新しい担当者や期限を確定しない
次回アジェンダを継続的に更新する
未完了事項を次回の議題候補へ反映する
前回の未完了事項と保留事項を確認し、次回アジェンダ候補へ整理してください。 出力:議題候補/前回からの状態/今回確認したいこと/根拠 条件: ・未完了または保留と明記された項目だけを対象にする ・入力にない議題を追加しない ・優先順位は確定せず、判断材料として示す
新しい論点と必要な準備を分ける
新しい論点は、発生した背景と確認したい内容を分けます。必要な参加者や準備の担当者、期限が入力されていない場合は、未確認のまま残します。
次回アジェンダ候補を、継続事項と新規論点に分類してください。 各項目について、論点、確認目的、必要な参加者、準備状況を整理してください。 優先度は判断材料として候補を示し、確定はしないでください。 根拠がない場合は確認事項にしてください。
ChatGPTに任せる作業と人が判断する作業を分ける

OpenAIの利用規約では、出力は常に正確とは限らず、用途に応じた確認が必要とされています。詳しくはOpenAI利用規約を確認してください。
ChatGPTに任せやすい作業
- 入力情報の分類
- 重複や表記の整理
- 未完了事項の抽出
- 指定形式への整形
- アジェンダ候補の更新
- 不足情報の確認事項化
人が確認して確定する作業
- 正式な意思決定
- 担当者や期限の確定
- 組織内の優先順位
- 契約や公開に関する判断
- 入力にない事実の採用
「決定してください」ではなく、「決定に必要な情報を整理してください」と依頼すると、役割分担が明確になります。
出力を確定する前のチェックリスト
- 入力文に根拠があるか
- 決定事項と候補が分かれているか
- 担当者と期限が明記されているか
- 不明な情報を推測していないか
- 前回の確定版との差分を確認できるか
出力が不安定なときのプロンプト改善方法
OpenAIの公式ガイドは、生成結果が非決定的であり、プロンプト作成には試行と改善が伴うと説明しています。代表的な入力例、期待する出力、チェック項目を用意し、少しずつ修正しましょう。詳しくはOpenAIのプロンプトエンジニアリングガイドを確認してください。
情報不足で回答がずれる場合
目的、対象、入力情報のどれが不足しているかを確認します。「必要な情報が足りない場合は、回答の前に確認質問を出してください」と追加する方法もあります。
出力形式が崩れる場合
項目名と順番を指定します。「表にして」ではなく、「項目・内容・担当者・期限・状態の順で出力し、情報がない場合は未確認と記載する」と書きます。
推測を減らすルールを追加する
・入力文にない情報は追加しない ・担当者、期限、決定事項を推測しない ・根拠がない内容は確認事項に分類する ・候補と確定事項を分ける ・判断できない場合は理由を示す
テンプレートの版数と変更内容を記録する
業務で使う前に、目的との一致、入力情報の反映、形式の統一、推測の有無を確認します。テンプレートには、版数、更新日、変更理由、試した入力、問題だった出力、修正内容を記録すると改善の経緯を追いやすくなります。
ブログ・SNS運用やAI副業へ応用する
会議用テンプレートの「前回ToDo・決定事項・次回アジェンダ」を、業務に合わせて置き換えます。
- ブログ:前回の企画状況・採用内容・次の調査項目
- SNS:前回の投稿状況・確定した方針・次の投稿案
- 副業:前回の作業結果・確定したタスク・次の対応
ブログ企画を整理するプロンプト
目的:ブログ企画の候補と次に必要な調査を整理する 入力:記事テーマ/想定読者/検索意図/公開予定日/既存記事/前回の企画状況 手順: 1. 企画候補を整理する 2. 既存記事との重複を確認する 3. 前回からの変更を抽出する 4. 次に必要な調査項目を示す 出力:企画候補/状態/重複確認/調査項目/確認事項 条件:採用テーマや公開判断は確定しない。入力にない事実は推測しない。
SNS投稿案を整えるプロンプト
目的:SNS投稿案をブランド方針に沿って整理する 固定情報:ブランド方針/対象読者/投稿目的/禁止表現/投稿形式 更新情報:キャンペーン内容/投稿日時/今回伝える情報 出力:投稿案/狙い/根拠/確認が必要な表現 条件:入力にない情報を追加しない。公開可否は人が確認する。
副業の作業状況を更新するプロンプト
前回の作業結果、未完了タスク、使える時間、納期を入力します。 タスクを完了・進行中・保留・情報不足に分類してください。 各項目について、次の対応、必要な確認、入力された納期を整理してください。 収益性、契約、納期変更は判断せず、人が確認する項目として出力してください。
作成したプロンプトを業務へ導入する
- 定例業務の目的と完成させたい状態を書く
- 毎回変わる情報と引き継ぐ情報を分ける
- ChatGPTに任せる整理作業を決める
- 人が確定する項目を決める
- 開始前・実行中・終了後のどこで使うか分ける
- 実際の入力で試し、出力チェック基準を更新する
いきなり業務全体を自動化せず、まずは一つの定例作業から始めます。出力が不安定な場合は、入力欄、手順、出力形式、推測禁止のルールを順番に見直してください。
よくある質問
ChatGPTのプロンプトは毎回ゼロから書く必要がありますか?
単発の質問では都度入力する場合があります。継続業務では、目的、手順、出力形式を固定し、前回のToDoや今回の変更だけを更新します。
会議の文字起こしがなくても定例会議用プロンプトは作れますか?
作成できます。アジェンダ、前回ToDo、決定事項、会議中に人が入力したメモを使います。入力できない情報は推測させず、確認事項として残してください。
ChatGPTに会議の決定を任せてもよいですか?
決定事項の候補整理や記録形式の統一は依頼できます。ただし、正式な意思決定、担当者や期限の確定、優先順位の判断は人が行います。
プロンプトどおりに出力されないときは何を見直せばよいですか?
入力情報の不足、目的や手順の曖昧さ、出力形式の未指定、推測を許す表現を確認します。「不明な情報は確認事項にする」といったルールも追加します。
MemoryやProjectsだけで正確に引き継げますか?
Memoryは関連情報を参照して応答を個人化できますが、過去のすべての会話を毎回参照するとは限りません。重要なToDoや決定事項は、明示的な入力欄、ファイル、確定版として管理してください。
定例会議用のプロンプトはブログやSNS運用にも使えますか?
使えます。目的、入力、手順、出力形式、判断基準を置き換えれば、ブログ企画、SNS投稿案、継続タスクの管理にも応用できます。
まとめ
ChatGPTプロンプトの作り方で大切なのは、質問を長くすることではありません。目的、完成させたい状態、役割、前提、入力、手順、出力形式、判断基準を分け、不明な情報を推測させないことです。
単発の質問では必要な情報をその都度入力し、継続業務では固定ルールと変動データを分けます。定例会議なら、開始前・実行中・終了後に分け、前回の確定版を次回の入力へ戻します。
まずは定例業務を一つ選び、現在の入力情報と完成させたい状態を書き出してください。ChatGPTには整理・分類・更新を任せ、人が決定事項、担当者、期限、優先順位を確認する形で試しましょう。
入力データを扱うときの注意
個人情報、顧客情報、社外秘の会議内容を入力する場合は、匿名化、社内規程、Data Controls、Memoryの設定を確認してください。個人向けサービスでは設定によって会話内容の扱いが変わる場合があります。Business、Enterprise、Edu、APIについても契約や管理者設定を確認してください。データの扱いはOpenAIのデータ利用に関する案内で確認できます。