メールの下書き、会議後の議事録、長い資料の確認、企画のたたき台作成に時間がかかっていませんか。
ChatGPTを仕事で使うなら、単に「文章を作って」と頼むのではなく、役割・目的・入力情報・条件・出力形式を指定します。この記事では、会議メモの整理、ビジネスメール、資料要約、アイデア出しに使えるプロンプトを、コピーして差し替えられる形で紹介します。
共通する手順は、次のとおりです。
- 機密情報や個人情報を確認し、必要に応じて伏せる
- 目的、読み手、入力情報、条件、出力形式を指定する
- 初稿を生成する
- 不足や誤りを追加指示で修正する
- 原資料と照合し、人が承認してから送信・共有する
まずは、内容を確認しやすい定型メールや、すでにある会議メモの整理から試してください。ChatGPTの出力は完成品ではなく、確認前提の下書きとして扱います。
ChatGPTプロンプトで仕事を効率化する基本の型
プロンプトとは、ChatGPTに入力する指示文です。目的や読み手、材料、出力形式を具体的にすると、生成結果を確認しやすくなります。以下の5要素は、公式のプロンプト設計の考え方を実務向けに整理したフレームです。
仕事で使いやすいプロンプトは5要素で作る
- 役割:どの立場で考えるか
- 目的:何のために作るか
- 入力情報:メモや原文などの材料
- 条件:読み手、長さ、文体、禁止事項
- 出力形式:箇条書き、件名と本文、項目別整理など
たとえば「会議メモをまとめて」と頼むより、「社内向けの議事録として、決定事項・未決事項・担当者・期限を分け、記載がない情報は推測しない」と指定したほうが、確認すべき点が明確になります。
基本的な考え方は、OpenAI Help Centerのプロンプト設計ガイドでも確認できます。
指示文と入力情報を区切る
会議メモや資料本文を貼り付けるときは、見出しや箇条書き、区切り記号を使い、指示文と参照情報の境界を明確にします。
また、「担当者や期限が記載されていない場合は、推測せず未記載とする」と明示してください。入力にない情報を補完させないことが、議事録や要約の誤りを減らすポイントです。
出力条件は具体的に指定する
- 読み手:営業部、経営会議、取引先など
- 長さ:指定した文字数以内
- トーン:簡潔、丁寧、社外向けの敬語など
- 形式:見出し付き、箇条書き、件名と本文など
- 優先順位:結論、課題、次の行動の順など
「短く」「丁寧に」だけでなく、対象者や文字数、並べる順番まで指定すると修正しやすくなります。
生成から確認までの基本フロー

- 入力する情報を確認し、機密情報や個人情報を伏せる
- 目的、対象者、条件、出力形式を指定する
- 初稿を生成する
- 不足や誤りを追加指示で修正する
- 事実、数字、固有名詞、日付を原資料と照合する
- 人が承認してから送信・共有する
最初から完成版を求めるのではなく、初稿を確認して指示を足す進め方にします。
会議メモを議事録・決定事項・ToDoに整理するプロンプト
ここでは、すでに手元にある会議メモを整理します。録音データの文字起こしやAI議事録ツールの導入方法は対象にしません。
入力情報を会議の基本情報と発言メモに分ける
次の項目を用意し、基本情報と発言メモを分けて入力します。
- 会議名
- 日時
- 参加者
- 発言メモ
- 使用した資料名
発言が断片的でも入力できます。ただし、氏名、会社名、顧客情報などは社内ルールに従って置き換えてください。置換後も人物や案件が特定されないか確認します。
そのまま使える議事録整理プロンプト
あなたは社内会議の議事録を整理する担当者です。
以下の会議メモを、原文にない内容を追加せずに整理してください。
発言が曖昧な場合、担当者・期限・決定事項を推測しないでください。
不明な情報は、未記載または要確認と表示してください。
### 会議情報
会議名:【会議名】
日時:【日時】
参加者:【参加者】
### 発言メモ
【ここに会議メモを貼り付ける】
### 出力形式
1. 会議概要
2. 決定事項
3. 未決事項
4. ToDo
5. 確認が必要な点
ToDoは、内容・担当者・期限の項目に分けてください。
担当者や期限がメモにない場合は、推測せず未記載と表示してください。
決定事項とToDoを分けて出力する

議事録本文と実行項目を分けると、共有前の確認がしやすくなります。ToDoは次の項目で整理させます。
- 内容
- 担当者
- 期限
- 根拠となる発言
- 確認状況
担当者や期限がメモにない場合は、ChatGPTに補わせず「未記載」「要確認」と表示させてください。
抜けや曖昧さを修正する追加指示
- 「決定事項と提案事項を分けて、再出力してください」
- 「担当者・期限が明記されていない項目だけを一覧にしてください」
- 「発言の事実と、そこから読み取った解釈を分けてください」
- 「原文にない内容を削除し、該当箇所を未確認と表示してください」
共有前には、決定事項、担当者、期限、数値、固有名詞、未決事項を原メモと照合します。
社内外のビジネスメールを作成・言い換えするプロンプト
メール作成では、文章を書く前に、宛先、目的、依頼内容、期限、添付資料、トーンを整理します。生成後は、宛先や日付などを人が確認してください。
宛先・目的・期限・トーンを整理する
- 宛先:社内向けか社外向けか、部署名や相手の立場
- 目的:依頼、連絡、お詫び、日程調整など
- 伝える内容:本文に含めたい情報
- 期限・依頼事項:相手にしてほしいこと
- 添付資料:添付の有無とファイル名
- トーン:簡潔、丁寧、社外向けの敬語など
そのまま使えるメール作成プロンプト
あなたはビジネスメールの下書きを作成する担当者です。
以下の情報だけを使い、原文にない事実や約束を追加しないでください。
不足している情報は推測せず、確認が必要な点として示してください。
### 宛先
【社内向け/社外向け、部署名または相手の立場】
### メールの目的
【依頼/連絡/お詫び/日程調整など】
### 伝える内容
【本文に含めたい情報】
### 期限・依頼事項
【相手にしてほしいことと期限】
### 添付資料
【添付の有無とファイル名】
### 条件
簡潔で丁寧な表現にする。
社外向けの場合は、過度にくだけた表現を避ける。
### 出力形式
1. 件名
2. 本文
3. 相手への依頼事項
4. 送信前に確認する点
件名・本文・依頼事項・確認事項を分ける
件名と本文だけでなく、依頼事項と確認事項も別に出力させます。本文中の依頼が埋もれていないか、送信前に確認できるためです。
社外メールでは、会社名、担当者名、日付、金額、納期、添付ファイル名、依頼内容を原資料と照合します。生成された敬語も、相手との関係や社内の表記ルールに合わせて確認してください。
敬語や長さを調整する追加指示
- 「社外向けの敬語に整え、内容は変更しないでください」
- 「結論を冒頭に置き、本文を簡潔にしてください」
- 「依頼内容、期限、添付資料をそれぞれ明確にしてください」
- 「社内向けの自然な表現にし、過度な敬語を減らしてください」
- 「修正した箇所と、確認が必要な箇所を分けてください」
長い資料や文章を要約し、必要な情報だけ抜き出すプロンプト
資料要約では、資料の目的と読む相手を先に伝えます。同じ資料でも、経営会議向け、営業向け、実務担当者向けでは優先する情報が変わるためです。
資料の目的・読み手・用途を整理する
- 資料の目的:何を説明・判断する資料か
- 読む相手:誰が読むか
- 要約の用途:会議、社内共有、検討資料など
- 優先する情報:結論、課題、根拠、リスクなど
- 原文:資料本文または利用可能なファイル
短い文章はテキストとして貼り付け、長い資料や複数資料は、利用できる環境でファイルアップロードを使う方法もあります。利用できる形式や容量、機能はアカウントやプランによって異なるため、使用前にOpenAI Help Centerのファイルアップロードに関する案内を確認してください。
そのまま使える資料要約プロンプト
あなたは資料を整理する編集担当者です。
以下の原文を、指定した読み手向けに要約してください。
原文にない情報を追加せず、不明な点は不明または記載なしと表示してください。
事実、解釈、推測を分け、重要な数値や条件は原文の表現を維持してください。
### 資料の目的
【資料で説明・判断したいこと】
### 読む相手
【経営層/営業担当/実務担当など】
### 要約の用途
【会議での説明/社内共有/検討用など】
### 原文
【資料本文を貼り付ける、または利用可能な場合はファイルを指定する】
### 出力形式
1. 結論
2. 要約
3. 根拠
4. 課題・リスク
5. 判断が必要な点
6. 原文との照合が必要な点
7. 読み手が次に確認する事項
原文にない内容は補完せず、該当項目を記載なしとしてください。
結論・根拠・課題・確認事項に分ける
要約だけでなく、根拠や確認事項も出力させると、原文と照合する箇所を探しやすくなります。
- 経営会議向け:結論、判断材料、リスク、判断が必要な点
- 営業担当向け:顧客への影響、説明に必要な点、次の行動
- 実務担当者向け:手順、条件、例外、確認事項
図表や画像を含む資料では、抽出された情報だけで判断せず、重要な箇所を原資料でも確認します。
要約の長さや抜けを調整する追加指示
- 「結論を冒頭に置き、指定した文字数以内でまとめてください」
- 「重要な数値、条件、例外を抜き出してください」
- 「原文の章立てに沿って要約し、抜けた章があれば示してください」
- 「事実・解釈・推測・要確認を別の見出しで出してください」
- 「原文にない内容を削除し、記載がない項目は記載なしとしてください」
企画・改善案・会議のアイデアを広げるプロンプト
アイデア出しでは、案を列挙するだけでなく、目的、対象者、制約、実行上の課題まで出力させます。生成された案は、そのまま採用するのではなく、比較や検討の材料として使います。
目的・対象者・課題・制約条件を整理する
- 目的:何を実現したいか
- 対象者:誰に向けた企画か
- 現状の課題:何が問題になっているか
- 制約条件:予算、期限、人数、利用可能な資源など
- 避けたいこと:既存施策との重複、運用負担など
入力条件を明確にすると、アイデア同士を比較しやすくなります。実現可能性を保証する表現ではなく、各案の前提や課題も出力させてください。
そのまま使えるアイデア出しプロンプト
あなたは企画会議の壁打ち相手です。
以下の目的、対象者、課題、制約条件をもとに、企画案を複数出してください。
実現を保証する表現は避け、各案の前提や課題を明示してください。
### 目的
【実現したいこと】
### 対象者
【利用者・顧客・社内関係者など】
### 現状の課題
【現在困っていること】
### 制約条件
【予算、期限、人数、利用可能な資源など】
### 出力形式
各案を次の項目で整理してください。
・案の概要
・狙い
・具体的な施策
・期待する変化
・必要な準備
・実行上の課題やリスク
・最初に確認すること
低コスト案、標準案、大胆な案を分け、案同士の重複を避けてください。
複数案を同じ項目で比較する
案ごとに「狙い・具体施策・必要な準備・リスク・最初の一歩」をそろえると、会議で比較しやすくなります。必要に応じて、次の軸も指定できます。
- 短期施策と中長期施策
- 既存顧客向けと新規顧客向け
- 社内運用で完結する案と外部協力が必要な案
出力された案は、目的との整合性、社内ルール、必要な承認、実施条件を確認してから扱います。
アイデアが似通うときの追加指示
- 「低コスト、標準、大胆の三方向に分けてください」
- 「短期施策と中長期施策に分けてください」
- 「既存顧客向けと新規顧客向けで分けてください」
- 「現在の案と異なる実施主体、利用場面、提供方法で考えてください」
- 「各案について、実行を妨げる条件を一つ以上示してください」
出力が期待と違うときの追加指示と修正プロンプト
初稿が長い、抽象的、要点が抜けているときは、問題を分けて指示します。対象者、長さ、トーン、優先順位、形式を一度に見直すより、足りない条件を追加するほうが修正点を確認しやすくなります。
文章が長い・抽象的なとき
- 「結論を冒頭に置き、箇条書きで整理してください」
- 「重複表現を削除し、指定した文字数以内にしてください」
- 「抽象的な表現を、入力情報にある具体的な内容へ置き換えてください」
- 「一文を短くし、読み手が次にする行動を明示してください」
事実・解釈・不足情報を分ける
出力内容を次の三つに分けて再整理してください。
1. 原文に記載されている事実
2. 原文から読み取った解釈
3. 判断に必要だが不足している情報
不足情報は推測で補わず、確認事項として列挙してください。
対象者・トーン・形式を変更する
- 「経営層向けに、結論、判断材料、リスクの順にしてください」
- 「実務担当者向けに、手順と例外を優先してください」
- 「社外向けの丁寧な表現にしてください」
- 「メール形式ではなく、会議用の箇条書きに変換してください」
- 「優先順位を、緊急度と確認が必要な順に整理してください」
原文にない内容を追加させない
原文に記載された事実と、推測・解釈を分けてください。
原文にない固有名詞、数値、日付、担当者、期限、引用を追加しないでください。
判断できない内容は、不明または要確認と表示してください。
修正後も、原資料との照合は省略しません。
ChatGPTを仕事で使うときの情報漏えい・事実確認の注意点
仕事の情報を入力する前に、会社の生成AI利用規程、契約、アカウント設定を確認してください。個人向けサービスと法人向けサービスではデータ利用方針が異なる場合がありますが、法人向けであっても社内ルールの確認は必要です。
入力前に確認する情報
- 顧客や従業員の個人情報
- 社外秘の案件情報
- 契約上の秘密情報
- 認証情報やアクセス情報
- 公開前の企画、金額、条件
個人向けサービスでは設定によって会話内容がモデル改善に利用される場合があります。法人向けサービスでも、契約条件や管理設定を確認してください。詳しくはOpenAIのデータ利用方針を参照できます。
固有名詞や識別情報を置き換える
氏名をAさん、会社名をX社、案件名をプロジェクトAのように置き換える方法があります。ただし、情報の組み合わせから人物や案件が特定されることもあるため、置換だけで安全性が保証されるわけではありません。
置換した固有名詞を使う場合は、「出力にも置換後の表記を使用し、元の情報を推測しない」と指示します。
生成結果を原資料と照合する
ChatGPTは、定義、日付、数値、引用、出典、固有名詞などを誤って生成する可能性があります。議事録なら決定事項・担当者・期限、メールなら宛先・期限・添付、要約なら重要な条件、企画案なら前提・制約を確認してください。
重要な情報は信頼できる原資料と照合します。回答の正確性については、OpenAI Help Centerの回答の正確性に関する案内も参照できます。
社外向け文章は人が承認する
生成結果をそのまま送信・共有・決定資料へ転記しないでください。宛先、敬語、事実関係、契約条件、数値、担当者、期限を人が確認し、必要な承認を得てから使用します。
最初に試す業務を選び、プロンプトを自分の仕事用に整える方法
最初は、入力情報を準備しやすく、定型度があり、出力結果を確認できる業務を選びます。メール、既存メモの整理、資料要約、アイデア出しの中から、会社のルールと自分の業務に合うものを一つ選んでください。
最初の業務を選ぶチェックポイント
- 毎回の入力項目が整理されているか
- 出力形式を決められるか
- 生成結果を原資料と照合できるか
- 誤りがあった場合の影響を把握できるか
- 会社のルール上、入力してよい情報か
作業時間の短縮を最初から断定せず、一つの業務で試し、生成前後の確認手順を記録します。
ChatGPTに任せる部分と人が判断する部分を分ける

- たたき台として扱う部分:見出し、箇条書き、文面の候補、分類
- 人が確認する部分:事実、数値、日付、宛先、担当者、期限、契約条件
- 人が判断する部分:送信可否、企画の採用、重要な意思決定
テンプレートを自分の業務用に書き換える
各プロンプトの【】部分を差し替えます。メールなら部署名、相手の立場、期限、添付資料を加え、議事録なら社内で使っている項目名や承認欄を出力形式に追加します。
入力材料が不足している場合は、ChatGPTに補完させず、先に確認すべき項目として出力させます。
修正指示をテンプレートへ反映する
- 使用した業務と入力項目を保存する
- 出力で不足した情報を記録する
- 追加した修正指示をテンプレートへ反映する
- 社内ルールや利用環境が変わった場合に見直す
保存する場所や共有範囲にも、会社の情報管理ルールを適用してください。
よくある質問
ChatGPTに仕事の情報をそのまま入力しても問題ありませんか?
機密情報、個人情報、社外秘情報を入力する前に、社内規程、契約、アカウント設定を確認してください。必要に応じて氏名や会社名などを置き換えますが、置換後も特定される可能性があります。
ChatGPTが作成したメールや議事録をそのまま送信・共有してもよいですか?
そのまま送信・共有せず、事実関係、宛先、敬語、決定事項、ToDo、日付、期限を人が確認してください。社外向け文章や重要な判断では、必要な承認を得てから使用します。
ChatGPTの回答に誤りや根拠のない内容が含まれることはありますか?
あります。定義、日付、数値、引用、出典、固有名詞などを誤って生成する可能性があります。原資料と照合し、事実・解釈・推測・要確認を分けて確認してください。
文章が長すぎたり、要点が抜けたりする場合はどうすればよいですか?
文字数、対象者、優先順位、出力形式を追加指定します。「結論を冒頭にする」「箇条書きにする」「不足情報を要確認として分ける」「原文にない内容を追加しない」と指示すると、修正点を伝えやすくなります。
どの業務から始めればよいですか?
入力情報を準備しやすく、出力形式を決めやすく、原資料と照合できる業務を選びます。メール、既存メモの整理、資料要約、アイデア出しの中から、自分の業務と社内ルールに合うものを小さく試してください。
会議の録音データから自動で議事録を作る方法も解説していますか?
本記事は、すでにある会議メモを整理するプロンプトが対象です。録音からの文字起こし、参加者への同意、利用環境、AI議事録ツールの比較や導入設計は扱っていません。録音機能を使う場合は、提供環境、文字起こしの誤り、社内規程、地域の法律を別途確認してください。
まとめ
ChatGPTプロンプトで仕事を効率化するには、役割・目的・入力情報・条件・出力形式を具体化します。
- 会議メモは決定事項・未決事項・ToDoに分ける
- メールは件名・本文・依頼事項・確認事項に分ける
- 資料要約は読み手と目的を指定する
- アイデア出しは制約条件と比較項目を指定する
次に取る行動は、機密情報を伏せたうえで、普段使うメールまたは既存の会議メモを一つ選び、テンプレートの【】部分を差し替えて試すことです。初稿を確認し、追加指示で修正し、原資料と照合してから実務で使いましょう。
